2008年11月30日

国民年金の保険料

昨日の日記では、社会保険庁の職員による、年金記録の改ざん問題について触れましたが、今日は、国民年金の保険料について考えてみたいと思います。

年金記録の改ざんの対象になっているのは、主に厚生年金ですが、同じ年金の保険料関連で、大きな問題となっているのが、国民年金保険料の納付率の低さです。

正確にいえば、国民年金の第1号被保険者の保険料の納付率があまり高くない問題ということになるでしょうか。

沖縄県に関して言うと、2007年度は22.2%とのことです。つまり、5人に1人しか、保険料が払えていないということです。
また、免除者等を除いた納付率でも、42.8%にしか達していないそうです。

社会保険労務士の私がこんなことを言うのは、不謹慎かもしれませんが、現在の沖縄県内の雇用状況等を考えると、当然の結果かもしれません。

現在の、国民年金の保険料は、月額14,410円ですが、これは、沖縄県内の所得水準をみると、決して安いものではありません。

特に、私自身も県内で転職を繰り返してきたので、痛感しますが、ハローワークの求人等を見ていても、月収15万円以上見込める仕事を探すのも容易ではありません。


一般的にいうと、常勤で働く人は、厚生年金に入ることになっているのですが、現在は、雇用の流動化や経済状況の厳しさもあり、常勤でありながら、厚生年金や健康保険といった会社の社会保険に加入出来ない人も、少なからず存在します。


こうしたケースでは、国民年金(第1号被保険者)と国民健康保険(国保)に加入します。
例えば、月収15万円で働いたとしても、この収入から、家賃や生活費、国保や国民年金の保険料を払わないといけません。この場合に、果たして、すべてをまかないきれるでしょうか?

あくまで、私見ですが、かなり厳しいのではないでしょうか。

もし、家賃が安くて済み、単身者であるという条件等が重なれば、不可能ではないかもしれません。
しかし、世帯持ちであれば、夫婦ともに国民年金の保険料はかかりますし、子供がいれば、育児にかかる費用もあります。

たとえ、国民年金の保険料を払いたくても、生活費で精一杯で、払えない人が多いのではないかと感じます。
また、年金制度そのものへの不信感もあり、保険料を払うよりは、現在の生活を優先させたい人も多いかもしれません。

例では、会社に雇われながら、社会保険に入れない人の場合を挙げましたが、自営業や無職の場合でも、当てはまります。

このように、国民年金の保険料を払いきれない人のための制度が、免除制度です。免除にも、全額免除や半額免除等、いくつかあるのですが、まだまだ免除制度の存在自体、じゅうぶん浸透してないかもしれません。

また、仮に知っていたとしても、市町村の窓口まで、足を運び、申請しないといけません。

私自身も、役所の窓口で、免除申請をしたことがありますが、正直、あまり気分の良いものではありません。なぜなら、相手の職員に、「私は収入が少ないから、保険料を払えませんよ」と明らかにするわけですから。変なプライドかもしれませんが、少なからず屈辱感がありました。

免除申請をおこなえば、確かに、将来の年金につながります。
しかし、私のように、屈辱感を覚え、それがイヤで免除申請を行わない人も、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。

こうした点が、改善されない限り、免除申請をきっちり行う人は増えない気がします。


国民年金保険料の納付率問題は、保険料の額や免除制度など、多くの改善の余地があることを示しているように思われます。



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Posted by coda at 16:11│Comments(0)年金
 
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