2009年01月06日

雇用ニューディール計画

現在悪化する雇用情勢への対策として、政府で検討されている政策が、「雇用ニューディール計画」というものであるようです。
その主な内容としては、以下のものが挙げられるとのことです。

1.医療、介護、農業など職種別に雇用創出計画を策定

2.リストラに伴う失業者の再就職を助ける「雇用再生集中支援事業」を再開

3.林業就業を促す「緑の雇用」事業を再開・拡充し、国や自治体、関係機関も臨時雇用の場を提供

4.非正規雇用者の権利保護法制を検討

5.育児休業者への所得補償を段階的に引き上げ、世界最高水準の育児休業制度を目指す

6.起業後の法人税軽減や家庭菜園への農地貸与で高齢者を支援

特に、1番目に挙げられていますが、政府としては、医療・介護分野での人材不足現象を補うために、資格取得の支援等を行い、少しでも雇用情勢悪化の歯止めを行いたいとの考えのようです。

しかし、よくよく考えてみる必要があります。
医療・介護分野でなぜ人材が不足しているのか・・・。
もちろん、絶対数が不足しているという問題もあるかと思います。
しかし、それだけではありません。理想に燃えて、医療や介護の世界に入っていっても、理想の現実のギャップに苦しむ方々がたくさんいらっしゃいます。そして、退職という苦渋の決断をされる方もいらっしゃいます。

つまり、賃金面も含めて、労働環境が良くないということがあるのではないでしょうか。


私自身も、福祉の世界に1度は身を置きましたが、福祉施設を運営するのは、本当に大変なことです。
それは、限られた運営費の中で、施設側に求められる仕事は膨大なものがあるからです。
それでなくても、介護・福祉・医療の分野に関する公費は、ここ最近削られる傾向にあります。
このしわ寄せを受けるのは、他ならぬ現場スタッフです。

このことをもう少し検討していただけないものかと思います。

ここの部分は、沖縄県内の「雇用のミスマッチ」現象にも通じる問題かもしれません。

雇用問題を考えるとき、もちろん、雇用の数自体を増やすことも大事ですが、待遇を含めた質的な問題も同時に検討しないと、必ず行き詰まってしまう、そのように思われます。



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Posted by coda at 12:00│Comments(2)雇用
この記事へのコメント
広島労働局の局長が03年の労働者派遣法改正について「市場原理主義が全面的に出たあの時期に、労働行政の誰か一人でも職を辞してとめる事ができなかったか、ということには、謝りたいと思っている」と発言した、との記事を見ました。

官僚の中にも、なかなか気骨のある人がいるんだな〜、と感心した。

「年越し派遣村」について「本当に真面目に働こうとしている人たちが集まっているのか」と述べた次官や、どこかの県の職員はみならって欲しいと思った次第です(^-^)
Posted by okuuda at 2009年01月07日 19:10
okuudaさん、ありがとうございます。

そうですねー。
官僚の中にも、良心的な人もいるのかもしれませんね。

ただ、もう進みだした針を元に戻すことはできないですからね。
現在、労働者派遣法の見直しも検討されていますが、なかなか一筋縄ではいかないようです。

私個人は、「非正規雇用という雇用形態なんてなくなった方がいいのに・・・」って思いますが、残念ながら、今現在の経済状況から見ると、直ちに非正規雇用という形態をやめるということにはならないかと思っています。
製造業への派遣が廃止になるかは、検討されているようですが・・・。

少なくとも、雇用保険くらいには組み込んで欲しいと思います。
私は、身近で、同じように働いても、雇用保険にすら入らない例を多く見てきましたので、日頃から、「怖いことだ」と思ってきたものですから。

最低限のルール作りは必要かと思います。
今までがひどすぎましたから。
Posted by codacoda at 2009年01月07日 20:18
 
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