2008年11月16日
社労士の原点
労働基準監督署との出会い
社会保険労務士になった今では、労働基準監督署は、私にとって、なじみ深いものとなってきたのですが、今、思い返せば、社会保険労務士になろうとは、夢にも思っていなかった10年前、私は、那覇労働基準監督署を訪ねていました。
あの頃の那覇労働基準監督署は、久米にあったでしょうか。いまは、新都心にありますが…。
あれは、私が、住み込みでボーリング工事の仕事をしてた頃のこと。
一緒に住み込みで仕事をしていた、Hさん(私より10歳くらい年上)が、現場で作業している際に、鉄の棒を誤って自分の足の上に落としてしまったのです。彼は、豊見城の病院で診察してもらうと、全治三週間かかる怪我だったようです。骨にまでは、異常なかったようですが。
もちろん翌日から、働くことができません。なにしろ、かなりの肉体労働ですから、足が思うように動かないと、仕事になりません。当然のことながら、住み込みの部屋で待機するほかありません。
そこで、問題です。待機してる間は、給料は出ません。おまけに、治療費も出ないですし、病院へ通うタクシー代だってかかります。彼は途方に暮れてました。
私は、素朴にこう思ったのです。
彼はわざと怪我をしたわけでもないのに、泣き寝入りしなければならないのか…と。こんなにキツイ思いをして働いて怪我をしたのに、リスクを背負うのは従業員のみというのは、おかしくないか…とも。
私は、労災保険の知識など、当時はまったくなかったのですが、労働基準監督署の存在自体は知っていたので、彼に電話をかけさせました。彼が、電話で事情を簡単に説明すると、直接来てくれとのことでしたので、私と彼は、タクシーで那覇労働基準監督署へ行きました。カウンターのような場所で、比較的若い男性が対応してくれました。
話によると、建設業の労災保険は、元請けが入っているので、元請けの会社にかけあってみたらどうか、とのことでした。
早速、彼は、元請けの建設会社に電話を入れました。「業務中に怪我をして、働くに働けず、困っているから、なんとかしてもらえないだろうか」ということを伝えました。
実は、私たちの住み込みで働いていた業者は、孫請けだったのです。
ボーリング工事の直接の担当は、下請の会社で、私たちの所属は、さらにその下請。
彼が元請けに電話した後、10分もしないうちに、今度は下請の会社(私たちにとっては、働かされている会社)から、あわてて電話がかかってきました。
「直接、元請けに電話するのはやめてくれ…。治療費用は払うから…。」とのことでした。
結果的には、治療費の支払いで、和解することとなりました。
後でわかったことですが、建設業にとって、労災は重大な問題で、労災事故が発生すると、建設会社は受注にひびくとのことでした。
だから、あの下請の会社から、慌てふためいたような電話がかかってきたのか…と納得したのです。
あの時は、労災保険のことなど何もわからなかったのですが、今思えば、10年前のこの経験が、社会保険労務士としての私の原点です。
社会保険労務士になった今では、労働基準監督署は、私にとって、なじみ深いものとなってきたのですが、今、思い返せば、社会保険労務士になろうとは、夢にも思っていなかった10年前、私は、那覇労働基準監督署を訪ねていました。
あの頃の那覇労働基準監督署は、久米にあったでしょうか。いまは、新都心にありますが…。
あれは、私が、住み込みでボーリング工事の仕事をしてた頃のこと。
一緒に住み込みで仕事をしていた、Hさん(私より10歳くらい年上)が、現場で作業している際に、鉄の棒を誤って自分の足の上に落としてしまったのです。彼は、豊見城の病院で診察してもらうと、全治三週間かかる怪我だったようです。骨にまでは、異常なかったようですが。
もちろん翌日から、働くことができません。なにしろ、かなりの肉体労働ですから、足が思うように動かないと、仕事になりません。当然のことながら、住み込みの部屋で待機するほかありません。
そこで、問題です。待機してる間は、給料は出ません。おまけに、治療費も出ないですし、病院へ通うタクシー代だってかかります。彼は途方に暮れてました。
私は、素朴にこう思ったのです。
彼はわざと怪我をしたわけでもないのに、泣き寝入りしなければならないのか…と。こんなにキツイ思いをして働いて怪我をしたのに、リスクを背負うのは従業員のみというのは、おかしくないか…とも。
私は、労災保険の知識など、当時はまったくなかったのですが、労働基準監督署の存在自体は知っていたので、彼に電話をかけさせました。彼が、電話で事情を簡単に説明すると、直接来てくれとのことでしたので、私と彼は、タクシーで那覇労働基準監督署へ行きました。カウンターのような場所で、比較的若い男性が対応してくれました。
話によると、建設業の労災保険は、元請けが入っているので、元請けの会社にかけあってみたらどうか、とのことでした。
早速、彼は、元請けの建設会社に電話を入れました。「業務中に怪我をして、働くに働けず、困っているから、なんとかしてもらえないだろうか」ということを伝えました。
実は、私たちの住み込みで働いていた業者は、孫請けだったのです。
ボーリング工事の直接の担当は、下請の会社で、私たちの所属は、さらにその下請。
彼が元請けに電話した後、10分もしないうちに、今度は下請の会社(私たちにとっては、働かされている会社)から、あわてて電話がかかってきました。
「直接、元請けに電話するのはやめてくれ…。治療費用は払うから…。」とのことでした。
結果的には、治療費の支払いで、和解することとなりました。
後でわかったことですが、建設業にとって、労災は重大な問題で、労災事故が発生すると、建設会社は受注にひびくとのことでした。
だから、あの下請の会社から、慌てふためいたような電話がかかってきたのか…と納得したのです。
あの時は、労災保険のことなど何もわからなかったのですが、今思えば、10年前のこの経験が、社会保険労務士としての私の原点です。
Posted by coda at 15:41│Comments(0)
│社会保険労務士