あれから12年になります。
「あれから」・・・私が沖縄に来てからのことです。
1998年2月13日のことでした。
最初に降り立ったのが、那覇新港。
わけもわからず、歩いてたどり着いたのが与儀公園でした。
まったく自覚が無かったのですが、いわゆる「ホームレス」状態ということなのでしょうか。
「ホームレス中学生」という本が数年前に爆発的に売れましたが、私は、「ホームレス大学生」ということだったのでしょうか。当時はまだ大学を辞めてはいませんでしたので・・・。
「ホームレス状態」は、結局のところ、幸運なことに1日も無かったのではありますが、私の覚悟としては、公園に野宿しようと考えていました。というより、野宿する以外にすべは無かったのです。
たまたま1日目にして、住み込みの仕事を見つけることができたのは、今でも不思議なことです。
「沖縄には、なぜ来たの?」と聞かれることが多いのですが、自分自身でもいまだによくわかりません。
今思うのは、「沖縄で自分の人生をリセットしたかったから」ということでしょうか。
「沖縄で自分の人生を生きてみたかった」というのが素直なところです。
どうしても、沖縄に行かないと気が済まないという感じでした。あまり理屈ではなく、引き寄せられるような、そんな感じだったのです。
だから、「なぜ、沖縄に来たの?」と人から聞かれても、あまりうまく答えることができません。
理由などあまり無いからです。ただ、敢えて挙げるならば、生まれ故郷の広島と似たような「匂い」がするからでしょうか。
しかし、私にとって「広島」はあまりいい思い出の故郷ではありません。
もちろん、両親にはとても感謝していますし、決して悪い場所ではありません。
ただ、私にとって、「苦い思い出の地」であるということなのです。
にもかかわらず、広島と同じ匂いを求めてしまうのは、なんだかんだ言っても広島が好きなのかもしれません。
今は、沖縄が「故郷」のような気がしています。というより、「故郷としたい」という気持ちです。
それは、なんと言っても、ホームレス同然の状況から、曲がりなりにも今まで生活してきた場所だからです。
とは言っても、まだまだ完全に「定着している」という感覚はありません。残念ながら・・・。
それでも、これからも、沖縄でなんとかやっていきたい・・・と強く思うのであります。